調弦と曲

コラの調弦の種類

コラの調弦の主なものは4種類あると言われています。
それらは、シラバ、サウタ、トモラ、ハルディーノという呼び名がついています。

このうち、頻繁に使われているのはシラバとサウタの2種類で、伝統的な曲のほとんどがこの2つで演奏されています。

プレイヤーによっては、独自のチューニングを持っていることも珍しくありません。
トゥマニ・ジャバテはCD「The Mande Variations」において、エジプシャン・チューニングと呼ぶ、オリエンタルな響きのチューニングを披露しています。

また、シラバとサウタはそれぞれオクターブ違いの2箇所の音が半音だけ違っていて、曲によってはチューニングを変える必要があるのですが、それぞれをミックスして、同時にシラバとサウタの曲を演奏できるような調弦法もあります。
(ハーフサウタ)

Keyについて

ルート音(右と左の一番低い音)は、本来は一緒に演奏するバラフォンなどの他の楽器のキイ(ピッチ)または歌い手の声域に合わせれば良いわけです。
例えばコラを一番低い弦をFに、調弦をサウタにしておくとCのバラフォンと合奏できます。
近年は西洋音楽の影響からか、CやFのバラフォンが作られることが多く、またギターやキーボードなどの楽器と演奏することも多いので、コラの最低音弦がFにすることがスタンダードです。
一方、古い録音の音源はGなどもっと高いものが多いです。



コラの曲

コラで演奏される曲をリストアップしてみました。
実は現在はコラで演奏されることが多いものでも、そのルーツはバラフォンの曲であったりンゴニの曲であったりします。曲目と、演奏されるチューニングをあげてみます。
アララケのように、同じ曲でも、演奏される地方によって、またはプレイヤーによってチューニングが異なる場合もあるようです。

また、同じ伴奏に異なる曲の歌詞を載せて歌ったり、その場の即興で歌を作ったりすることも多く見られます。逆にいえば即興はジャリの本来の演奏スタイルであるともいえます。

アララケ

コラの代表的な曲のひとつ。すべては神(アラー)のなせる業、という意味の曲。
チューニングシラバまたはサウタ

ケレファ

クトゥルンデケレファ、ケレファ・バとも呼ばれる曲。この曲の中に、ジョラケレ、サリヤ、などいろいろな歌詞をのせて演奏されることが多い。
チューニングシラバ

バニ

サヌとも呼ばれる曲。教訓的な内容の歌詞で歌われる、本来のバニのほか同じ伴奏で、マハディなど多くのバリエイションある。
チューニングサウタ

ジャラビ

ヤラビとも発音される、愛をテーマにした曲。
チューニングサウタ

スンジャタ

伝説の王、スンジャタを語る壮大な組曲
チューニングシラバ

ドゥガ(マウラ)

聖なる鳥の曲。
チューニング;サウタ

ミニアンバ

人々の望みをかなえるといわれる、蛇の姿をした精霊ミニアンバの曲。
チューニングシラバ

カイラ

「平和」をテーマにした歌。
チューニングサウタ シラバ

トゥバカ

愛をテーマにした曲。
チューニングシラバ

クランジャン

偉大なる狩人と精霊の鳥を讃える曲。
チューニングシラバ

ベマンカン/アルファ・ヤヤ

偉大なるアルファ・ヤヤを称える曲
チューニングサウタ

ケメブラマ

伝説の将軍の名。彼の勇敢な戦いを讃える曲。
チューニングシラバ

マリサジョ

マリに伝わる伝説、河馬と少女の悲しい物語を歌う曲。
チューニングサウタ

ランバン

ジャリ(グリオ)を讃える曲。
チューニングシラバ サウタ

スバ・ニ・マンサヤ(シイバ)

スンジャータの時代のできごとを歌った曲。
チューニングシラバ

マンサニ・シセ

偉大な王、シセの死をテーマに
人の運命は知ることが出来ないという教訓を歌った曲。
チューニングシラバ サウタ 

チェド

勇敢な戦士を称える曲
チューニングシラバ